家庭のまつりには、神棚のまつりのほかに、忘れてはならない大切なまつりがあります。それが祖先のまつりです。
人は、身内の方を亡くしても、その人をいつも身近に感じていたいと思うものです。それが日本人のごく自然な感情といえるでしょう。
「亡くなった方の御霊(みたま)は、この世にとどまって、いつでも子孫を見守ってくれている」という、日本の伝統的な考え方は、今も生き続けています。
亡くなった人をまつるということは、まさに生きているときと同じように接することなのでしょう。そして、何代も前の祖先の顔は見たことがないけれど、祖先がいなければ、私たちは生まれていないはずです。
祖先のまつりとは、そんな生命のつながりの大切さを身近に感じるものなのです。
神式による葬儀のことを神葬祭といいます。神葬祭は日本固有の儀式で、亡くなられた方の御霊をお鎮(しず)めし、清めて永く家の守り神としておまつりします。
御霊まつりは、葬儀が終わった翌日の翌日祭から十日祭、二十日祭、三十日祭、四十日祭、五十日祭が行われ、一般的には五十日祭をもって忌明けとされます。以後、百日祭、一年祭と続き、十年祭などを経て五十年がたつと「まつりあげ」となります。
<御霊まつりの周期>